ローヤルゼリーは、ミツバチの女王蜂が食べる特別食です。
ビタミン、ミネラル、たんぱく質、アミノ酸をはじめ、ローヤルゼリー特有の成分など、数十種類に及ぶ栄養素が豊富に含まれています。
女王蜂の過酷な一生を支える、唯一の栄養源です。
ローヤルゼリーは、ミツバチ以外の種類の蜂には作ることができません。
世界中に存在する約4000種類といわれる蜂の種類のうち、日本に生息する蜂は代表的なものだけでいうと、スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチの3つの分類に分けることができます。
ミツバチは日本に9種類おり、その中でも一般的に養蜂場で飼育されているものは、セイヨウミツバチとトウヨウミツバチ(ニホンミツバチ)の2種類だけです。
ハチ全体の種類数からいうと、かなり貴重な存在であることが分かります。
唯一ローヤルゼリーをつくることのできるミツバチの働き蜂は、花粉やハチミツなどをえさにして、上あごと下あごにある部分から、体内で合成した分泌物を分泌します。
これがローヤルゼリーと呼ばれるもので、幼虫や女王蜂に与えるのも仕事の一つです。
ミツバチは他の種類に比べて身体が小さく、毒をもたず、一度針で刺すとその個体は死んでしまいます。
ですから、基本的に人を襲うことがないため、養蜂場での飼育にとても向いています。
人間や、自分たちよりもはるかに大きな動物を襲うなど、その獰猛さで恐れられるスズメバチは、ミツバチと違って肉食です。
幼虫の餌は、専ら成虫が捕獲してきたほかの昆虫やクモなどです。
成虫の餌は、幼虫が分泌する液体や、樹液などの糖分なので、花粉や花の蜜を集めるということをしません。
ですから、ハチミツもローヤルゼリーも作り出すことができません。
アシナガバチもまた肉食で、基本的な餌が昆虫であるなど、スズメバチと多くの共通点があります。
スズメバチに比べるとおとなしく小柄といわれてはいますが、強力な毒をもちます。
花粉を集める習性がないため、ローヤルゼリーを作り出すことはできませんが、少量ながらハチミツを作ることが分かっています。
このように、一口に蜂と言っても、それぞれに異なる習性をもつことがわかります。
他の種類はどれも肉食なので、ローヤルゼリーを作る習性のある蜂はミツバチだけになるのですね。